得意の?電装系作業。
古いBMWには良くある事らしいのですが、我がM3Cもエアバッグ警告灯が点灯しています。
近年車検時の警告灯チェックが厳しくなって一つでも点灯していると通してもらえなくなっていますので何とかしないといけません。
一般的にE36 M3C のエアバッグ警告灯の主な原因として以下が考えられます。
- 助手席着座センサーの劣化
- ステアリングボス裏側のスリップリングの異常
- 運転席シートベルトキャッチの異常
他にもエアバックコンピューターや配線の異常もあるようですが比較的稀とのこと。
まずはSRSエアバッグ専用のテスターで診断。
「Table 02」のエラーコード「4」と「18」が表示されました。(実際にはもう一つ助手席の配線異常の表示が出ていたのですが、診断時には助手席シートを外していたためここではスルーします。)
エラーコード表を参照すると、この車体では運転席エアバッグ及び助手席着座センサーの抵抗異常という結果です。
この結果に基づいて作業を進めます。
まずは助手席着座センサーのエラー。
このエラーはE36では最も多いエアバック警告灯点灯の原因らしく、ヤフオクでエミュレーターとして販売されています。それもポン付けカプラー仕様で。
このエミュレーターを常時使用した場合、助手席用のエアバッグは人が乗っていなくても衝突時に必ず作動する(エアバッグが開く)ようになります。
着座センサーが正常の場合には助手席に乗車していなければエアバッグ動作無しなので、それほど問題にはならない感じです。
ただエミュレーター使用時にチャイルドシートなどで子供を乗せた場合にも動作してしまうので、どうしても子供を助手席に乗せなければならない場合にはシートポジションを一番後ろの位置に下げておく必要があります。(ちなみにチャイルドシートを助手席で使用することは法律違反ではありません。)
続いて、ステアリング裏のスリップリングもしくはエアバッグ本体の異常のチェックです。
スリップリングはステアリングの動作に電装配線(エアバッグ&ホーン)が追従するようにテープ状の配線が内部に組み込まれた構造をしています。
これが経年劣化やステアリング交換の際に部分的に折れたり断線してエアバッグ警告灯点灯の原因となります。
市販の他社ステアリングに変更した場合、スリップリングの遠位(ステアリング寄り)のエアバッグ配線に3.3Ωの抵抗を挿入することで警告灯をキャンセルするようです。
今回はホーンが作動しない症状からスリップリング自体の異常が想定されますので、スリップリングの近位(エアバッグコンピューター側)のエアバッグ配線に抵抗をいれてみました。使用した抵抗はBRIDEの製品ですが10Ωの抵抗を並列に3個つなげれば代用可能です。
スリップリングが原因とわかった場合は交換が必要ですが購入に時間がかかるかもしれません。そのためキボシと抵抗の配線はきちんと半田付けをしておきます。
また、配線自体もいつでも元のエアバッグの配線に戻せるようにカプラーを新しく挿入。
以上で助手席着座センサーとステアリングのスリップリングの警告灯診断用配線が完了し、外しておいた助手席を再装着します。
先ほど使用したテスターでエラーコードを消去してキーを回してみると無事警告灯の消去が完了です。
着座センサー、スリップリングは海外通販で探してみます。ホーンが鳴らないと車検も通りませんしね。